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この“夏”をきっと忘れない。
絶望を生きる少女たちの、ひと夏の甘き死と再生の物語。
百合小説の傑作と名高い富士見ミステリー文庫発の青春ミステリー、待望の復刊!
寂れた無人駅のホーム。
こんぺい糖。ひまわり畑。
そして、あの廃棄車両。
リガヤという名の、不思議な彼女を連想させる四大要素。
思えばそこから、あたしの夏は始まった。
飛び込み自殺をするはずのローカル線が廃線となり、生理不順で味覚障害な中学二年生・有賀海幸の保険金自殺計画はムダになってしまった。
途方に暮れる彼女は、タガログ語で“幸せ”を意味する名を名乗る年上の少女・リガヤと出会う。
「ボクがこいつを『幽霊鉄道』として、甦らせてみせる!」
謎めいた彼女は、廃棄列車の復活と自殺志願の海幸に〈死〉を与えることを誓うのだった。
海幸とリガヤの、忘れられない夏が始まる。
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