取り寄せ不可
あなたの笑顔に、眼差しに、声に、
もう触れられなくなるなんて……。
3年前、逆境にいたところを、さる伯爵に救われて以来、
伯爵夫妻が主のグレイストーン城に身を寄せている19歳のキャサリン。
そこに集まったうら若き令嬢たちを前に、彼女は気後れしていた。
伯爵の弟で、キャサリンが唯一心を許せる幼なじみのジェフリーが今、
6人の花嫁候補と会うために、この城へ向かっているという。
令嬢たちのように着飾ってもいないし、気の利いた会話もできない彼女は
居たたまれず、以前いた修道院に今すぐ戻りたいとさえ願った。
でも、もう少し耐えよう。ジェフリーの顔を最後にもう一度見るまでは。
彼が結婚したら、キャサリンは修道誓願を立てるつもりだった――
大好きなジェフリーの笑顔も、もう見納め。私は修道女になる……。
1年ぶりに会うジェフリーが花嫁候補たちと踊る姿を廊下から見つめるキャサリン。しかし、さらに彼女を苦しめたのは、ジェフリーからのお願いでした。「だれを妻にしたらいいか、きみに相談にのってほしい」大人気作家が描く、甘酸っぱくて切ない珠玉の名作!
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