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大谷翔平や藤井聡太のような、同じ人間とは思えない卓越した能力は、どうしたら得られるのだろうか。生まれつき決まっているのか。それとも努力や環境しだいなのか。
人類がいまだに答えを出せずにいるこの問題は、「遺伝」につきまとうタブーや偏見が邪魔をして、長い間、正面から議論されなかった。「遺伝と能力」という問題は、パンドラの箱に深くしまわれたままだった。
しかし、双生児の比較から能力と遺伝の関係をあぶりだす行動遺伝学は、唯一、この問題の研究を続けてきた。そして近年、発達著しいゲノムサイエンスによって個人の遺伝的素質がすべて暴かれるようになり、研究は一気に加速した。その数々の成果は、これまで誤解だらけだった「遺伝」そして「能力」の正体を、白日のもとに引きずり出した。ついにパンドラの箱が開けられたのだ!
日本の行動遺伝学をリードする著者が、「遺伝」にまとわりつく無知の闇を真実の光で照らし、「自分」がわからずに悩む人たちに本当の希望を与える書!
【知らなかった遺伝の真実】
●大谷翔平とあなたの遺伝子は99.9%同じである
●子どもの「勤勉性」も遺伝である
●子どもが「神経質」なのは親がそうだからではない
●どのような環境で育つかも遺伝に影響される
●さまざまな知能の高さはたった一つの因子で説明できる
●遺伝の影響は年齢を重ねるほど大きくなっていく
●能力は経験の蓄積によって次の能力の土台となる ほか
【目次】
第1章 遺伝子が描く人間像
1‐1 遺伝子のマジック
1‐2 遺伝子は多様でランダム
1‐3 遺伝子発現のダイナミズム
1‐4 遺伝子たちがつくりだす「人」
第2章 才能は生まれつきか、努力か
2‐1 心はすべて遺伝的である
2‐2 「才能は生まれつきか、努力か」という問い
2‐3 「遺伝か、環境か」という問い
2‐4 能力が表れる「確率」
2‐5 ゴールドスタンダードとしての「知能」
第3章 才能の行動遺伝学
3‐1 「行動が遺伝的である」とはどういうことか
3‐2 古典的な行動遺伝学
3‐3 行動遺伝学の10大発見
3‐4 遺伝と環境の「交互作用」
3‐5 MRIが明かした脳の遺伝と環境
第4章 遺伝子が暴かれる時代
4‐1 ポリジェニック・スコアの進化
4‐2 教育年数PGSが描く世界
第5章 遺伝子と社会
5‐1 遺伝的に正しい社会とは
5‐2 遺伝子と人格
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