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今では過去に葬り去られてしまった1989年6月4日の「天安門事件」、そして2002年の独立までに20万人以上が虐殺されたという「東チモール独立運動」への弾圧。両事件の現場取材記録を基に事件に至った内実と真相を、今ここに明かす。
ここに収録した「天安門事件」は一九八九年の、そして「東チモール独立運動」は一九九四年の取材です。随分時間が経ってしまいました。それは、取材による記事化で多くの人の目に触れ、被取材者に多大なる迷惑が及ぶことを懸念してきたからです。迷惑どころか命の危険まであります。問題が大きければ大きいほど取材者はその取材に意義を感じ、同時に取材されて困る側、多くの場合は国家であり政府であるのですが、強大な権力を使って対抗してきます。
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