星が丘

星が丘

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出版社
ふらんす堂
著者名
秋山百合子
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2023年7月
判型
四六判
ISBN
9784781415475

◆第三句集

手袋が弥陀の片手のごと落ちて



秋山百合子さんは、なぜいつも新しいのだろう。

昔からそうだ。いまもそうだ。



(「家」代表 加藤かな文 )



◆自選十五句

春雷にコップの水の匂ひけり

あすも又目覚むるつもり花月夜

人間はゆつくり育つ葱坊主

かあさんと呼ばれてみたき暮春かな

空蝉の中はいかにと蟻に問ふ

椅子足して五人で座る夏夕べ

縞蛇の縞折れ曲がり折れ曲がり

油蝉からりと死んでゐたりけり

パーツごと干す扇風機荻の風

鶏頭をなでたる指のうつとりす

菊日和母の名にある菊の文字

先生へ白檀を焚く夜寒かな

寒紅を濃く引くほどのこともなし

その町にこどもの私冬すみれ

手袋が弥陀の片手のごと落ちて

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