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江戸時代後期から明治維新期の、日本の国境が形成される過程について、国際関係の変化の中に位置付けて考証し、国境とは何なのかを考える。国境の画定は、2国間だけでなく多国間の関与で進展したこと、また千島列島の問題で「竹島」の例を参照されるなど、国境問題が相互に関連していたこと、国際関係の変容が影響を与えたことを描き出す。新史料の分析から、これまで知られていなかった問題や、通説の誤りも明らかにする。歴史総合など日本史と世界史の関連を考える素材が豊富に記されている。
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〈目次〉
近代国家と国境
第1章 琉球国の境界――近世後期の南方
1 セシーユの琉球国への来航と境界
2 ペリーの琉球国認識と国際関係の変容
3 ペリーの来航と幕府の評議
4 薩摩藩の琉球国認識
5 「海岸防御筋御用」徳川斉昭の琉球国の理解と指示
6 琉米条約・琉仏条約・琉蘭条約の締結
第2章 樺太と千島列島――近世後期の北方
1 樺太問題の発生と取り調べ
2 樺太調査の実施
3 千島列島の境界
第3章 「竹島」(ウルルン島)と小笠原島の国境――近世後期の西と東
1 「竹島」(ウルルン島)における境界の形成
2 幕府による小笠原島政策
第4章 境界から国境へ――明治時代初期の南方
1 明治維新と沖縄
2 内務省の琉球処分案
3 パークスと琉球処分
4 清とロシアのはざまで――明治一○年代前半
5 明治一○年代後半の南西諸島
第5章 小笠原島の編入と「竹島」(ウルルン島)の開発――明治初期の東と西
1 環太平洋海域における小笠原島
2 修好条規と国境の変容
第6章 明治維新と樺太
1 樺太・千島交換条約締結以前の樺太
2 樺太・千島交換条約と樺太
3 樺太・千島交換条約後の千島列島
国際関係の変化の中で
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