KOKKO 第51号(5 2023)

第1特集:仲間づくりのメソッド/第2特集:国家公務員の宿舎

KOKKO

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出版社
日本国家公務員労働組合連合会
価格
1,540円(本体1,400円+税)
発行年月
2023年5月
判型
A5
ISBN
9784909237828

[第一特集]

仲間づくりのメソッド



●労働運動活性化に必要なスキル

日本の労働組合の組織率は2022年時点で16.5%と過去最低を記録しています。一方、欧米諸国では「ほとんどの公共交通機関が止まる(ドイツ)」など物価高騰に見合う大幅な賃上げを求める大規模なストライキが相次いでいます。とりわけアメリカでは、最低賃金15ドル運動、全米規模に広がる教員スト、アップルやアマゾン、スタバなどでの組合結成と労働運動が大きく盛り上がっています。しかもZ 世代(1997年以降生まれ)が運動の中心。2022年の労組支持率71%は1965年以降で最高となり、18~34歳は77%が労組支持。先日、アメリカ在住の知人とオンラインで話す機会があり、「なぜ若い世代が労働組合運動を活性化させているのか?」と問うと、知人は「いまの若い世代は#MeToo運動やBlack Lives Matter運動などを学生時代に経験していて、労働組合運動を推進するときに大切な対話やスピーチのスキルが高い。そこにアメリカ労働運動がコミュニティ・オーガナイジングを活用して戦略キャンペーンに取り組んでいるので活性化している」との回答。日本においてもコミュニティ・オーガナイジングの活用が労働組合運動を活性化させる鍵です。





[第二特集]

国家公務員の宿舎



●公務員宿舎の「失われた30年」?

2010年前後に公務員宿舎が「公務員優遇」であるとメディア上で批判され、民主党政権下で宿舎の売却と削減、新設凍結が方針化され、職員が宿舎に入居できる要件は「5類型」に厳格化されました。その後、現在に至るまで老朽化した宿舎の本格的な改修も進まず、とりわけ若年層職員の宿舎離れが加速し、空き部屋が問題化しています。

2021年(令和3年)11月に財務省の「行政財産の未来像研究会」がとりまとめた報告書では、これまでの方針を見直し、「借受と建設のコスト比較を早急に実施し、適切に宿舎確保を進めるべき」「個々の宿舎の状況に応じて長寿命化を図りつつ、必要に応じてコスト比較の上、借受移行や建替などから費用対効果の高い方法を実行し、計画的・効率的に行う必要がある」こと等を今後の基本的な対応方針として打ち出しました。

本特集では、公務員志望者の急減や若手職員の離職増が問題化するなか、今後の国家公務員の住まいのあり方について、宿舎等の実情と職員の声を中心にして考えます。

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