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【はじめにより抜粋】
市場では,多様かつ無数の消費者や企業が自由に行動する.そして,消費者や企業の行動は市場に応じて異なり時間的にも変化する.
このため,消費者行動と企業行動の集積である市場の状況は,市場に応じて異なり時間的にも変化している.それにもかかわらず,消費者行動や企業行動の差異,市場間の差異,さらには時間的な変化を超えた普遍的な構造ないし秩序が観察できる.このとき,それはどのような構造・秩序なのか,どのように生成されるのかという疑問が生じる.
第1 章において上述の問題意識・研究課題を述べた後,マーケティング研究において,市場の普遍的な構造ないし秩序がどのように位置付けられてきたかを整理した.
第2章では,複雑系研究において,普遍的な構造ないし秩序としてのべき乗法則がどのように考察されてきたかを概観した.
第3 章においては,パッケージ財市場において,普遍的な構造・秩序が見出されることを明らかにした.
第4章においては,Zipfモデルの一般型であるMandelbrot モデル(SCL: simplified canonical law)を,製品の順位と規模との関係にあてはめた.
第5章では,製品の発生確率と成長率に注目したシミュレーション・モデルとして「普遍的な市場構造の生成モデル」を構築し,80/20法則に従う市場構造が出現するメカニズムを考察した.
第6章においては,任意のパッケージ財市場を記述・分析できるパラメーターとして,製品の発生確率および成長率に注目し,その戦略的な含意を検討した.
本書において,複雑系研究の視点から市場の普遍的な構造ないし秩序を観察し,その創発メカニズムを明らかにしたことは意義深い.それは,全体的・普遍的な視点から市場を考察することにより,局所的・要素還元主義的な研究が中心であるマーケティング研究に対して,有用な示唆を提供するからである.
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