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◆短歌の最初の一滴
名もしれぬちひさき星をたづねゆきて住まばやと思ふ夜半もありけり(明治33年)
「住まばや」は住みたいということ。「名もしれぬちひさき星」に住みたいとは、なんてロマンチックな発想だろう。実際に宇宙に行けるとは思いもしない時代の歌である。また、「たづねゆき」という動詞の選びがいい。情感にあふれている。そして、そんな夜半もあるというところには、現代にも通じる、心は揺れるものだという認識が映っている。発想がみずみずしく、今詠まれた歌だと言っても、違和感がない。新しい時代の新しい歌を、直文が志向していたことがよくわかる。
◆百首シリーズに現代短歌の始祖・落合直文が登場!
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