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岐阜県中津川市苗木地区内を東西に流れる木曽川の右岸に、周囲から見れば一段と高くそびえる小山にある苗木城跡。かつては霞ヶ城、赤壁城との別名を持つ名城だった。ここを納めていたのが遠山家。本著は、江戸末期から明治維新にかけて、その最後の藩主となる十二代城主友禄を主人公に、弱小藩でありながら奏者番続いて若年寄りを拝命するまでの栄光の日々と、それゆえの経済難による領民の貧困、城の喪失、さらには維新を迎え、藩主や武士が先頭に立って平田篤胤の国学を積極的に取り入れたゆえの藩内の混乱などが、次第に暗い影を落としていく。当時の徹底的な廃仏毀釈運動により、今も地域には全く寺が無いという苗木地区。苗木藩の歴史を知るとともに、言論、思想、信教の自由の大切さを知らされる書でもあります。
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