特集:虐待に至る前にしなければならないこと
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特集 虐待に至る前にしなければならないこと
2022(令和4)年12月10日,精神保健福祉法の一部改正法案が国会で可決・成立し,12月16日公布されました。一部改正法案には「虐待の防止に関する事項」があり,精神科病院内での虐待防止のために組織全体での従事者への研修の実施,相談体制の整備,虐待の通報が義務づけられています。長年にわたり精神科病院での虐待が断続的に発生している現状から,今回の改正を契機として,各病院施設における虐待防止への環境整備を急ぎ行わなければなりません。
そこで,精神科病院における虐待防止のための基本的な考え方,組織での取り組み,看護師としての姿勢を本特集でとりあげました。さて,暴力のない看護現場であるためにはどうすればいいのか。倫理研修やシステムの変更というのは,もちろん有効な手段であります。しかし特集を通じて考えられることとして,もっとも大切にするべきなのは,プロの看護師として自分自身の仕事,看護にやりがい,誇りを見出し,ケアをていねいに行おうする姿勢ではないだろうかということです。そして患者さんを1人の生活を営む人として理解すること。それこそが虐待を防止する手立てになります。看護師個人の努力だけではなく,組織全体として環境を整える必要があるでしょう。
暴力のない場所は,患者さん,看護師,その場にいる人みんなが楽しいと感じられる場所であるはずです。
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