歌誌月光 No.78(2023年4月)

特集:下村光男遺歌集『海山』

歌誌月光

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出版社
月光の会
価格
1,100円(本体1,000円+税)
発行年月
2023年4月
判型
A5
ISBN
9784774407890

かれらさえはや権力におもねりて傷むなし我らの世代さびしえ

おおかたのものは手放し定住の家を持つこといよいよさびし

銀河鉄道の夢より醒めて 四街道 星降る寒の駅におりたつ

歌のこと飲食のこと子らのこと清貧も寂しきものとおもうぞ

生活をかくしてうたう 生活をみせて詠ずる 歌とは切な



歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、第二歌集『歌峠』より35年、戦後日本を誠実に生き抜き、2021年11月に逝去した歌人・下村光男とその遺歌集『海山』。福島泰樹による秀歌選のほか、インタビューでは、角川書店「新鋭歌人叢書」として刊行された下村の初歌集『少年伝』に至る1960~70年代当時の思いや、「時代風俗を明敏に捉える目の良さや通俗に流れない声調、歌人としての美質」を備えていたという下村作品を読む。

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