特集:下村光男遺歌集『海山』
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かれらさえはや権力におもねりて傷むなし我らの世代さびしえ
おおかたのものは手放し定住の家を持つこといよいよさびし
銀河鉄道の夢より醒めて 四街道 星降る寒の駅におりたつ
歌のこと飲食のこと子らのこと清貧も寂しきものとおもうぞ
生活をかくしてうたう 生活をみせて詠ずる 歌とは切な
歌人・福島泰樹主宰の「月光の会」が発行する短歌雑誌。今号の特集は、第二歌集『歌峠』より35年、戦後日本を誠実に生き抜き、2021年11月に逝去した歌人・下村光男とその遺歌集『海山』。福島泰樹による秀歌選のほか、インタビューでは、角川書店「新鋭歌人叢書」として刊行された下村の初歌集『少年伝』に至る1960~70年代当時の思いや、「時代風俗を明敏に捉える目の良さや通俗に流れない声調、歌人としての美質」を備えていたという下村作品を読む。
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