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本書は『ヴィスコンティ家のタロット』(幻冬舎)に加筆・修正を加え再編集したものです。
占いのカードとしての印象が強い「タロットカード」。
ですが、もともとは占いのカードではなく、イタリアの貴族の遊びの道具として重宝されていました。
本書は著者が長年のわたり現地イタリアで集めた資料や図版ならびに文献をもとに、その起源を探求する旅ともいえます。
「ようこそ。ヴィスコンティ・タロットの世界へ。
「タロット」と言えば「占い」を連想しませんか?この世の中に現存する最古のタロットである「I Tarocchi deiVisconti ヴィスコンティ・タロット」は1400年代の中期、イタリアのミラノ公としてミラノおよび周辺一帯を治めていた貴族である、ヴィスコンティ家が制作させたものです。この当時のタロットカードは「占い用のカード」ではなく「カードゲーム用のカード」として使われていました。
タロットはどのようにして生まれ、なぜ宮殿内の壁に描かれるほど流行したのでしょうか?
この当時の貴族たちの宮廷では、学者などの知識人や芸術家たちを招き、学芸を身に着けるとともに、それを誇示しようとしていたことが関係しています。
彼らは何を学び、何を誇示しようとしていたのでしょうか?
この1400 年代の流行を、現存する絵画や写本、文献などから探り、当時の人々の「智L’Intelligenza」に迫ってみましょう。そしてその「智L’Intelligenza」を知ることにより、タロットカードに描かれた絵の意味を明らかにしたいと思います。」(本書「はじめに」より)
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