ミソジニーが守ろうとする男性の特権意識
女性へのハラスメントや性暴力ののち、あろうことか被害者側が非難される。なぜそんなことがまかり通るのか。鍵となるのは、自分は女性から与えられる資格があるという男性の特権意識と、それを守ろうと発動するミソジニーだ。政治家からインセル、医者、夫など数々の実例をあげながら、家父長制が一見弱まりつつある時代における女性嫌悪の現れかたを鋭く抉り出す。『ひれふせ、女たち』で話題をさらった著者による新たな力作。
「私たちは何に反対しているのかが明白なときに、よりうまく闘うことができる。」(本書より)
「合衆国のように法的・社会的に男女平等が(形式的で不十分であれども)実現されているような「ポスト家父長制」的社会において、ミソジニーが守ろうとしている「家父長制的な規範や期待」とはそもそも何なのだろうか。その答えとしてマンが本作で提示しているのが、資格(entitlement)である。その資格の具体例として本書では、称賛を得る資格、セックスをする資格、同意される資格、痛みの訴えを聞いてもらう資格、自分の身体のことを自分で選択する資格、家事労働をしてもらう資格、知識ある者として語る/聞かれる資格、権力を得るにふさわしい者とみなされる資格である。」(訳者あとがきより)
◎目次
第一章 消されない――特権を付与された男性の資格
第二章 自発的ではない――称賛される資格
第三章 例外ではない――セックスをする資格
第四章 必要ない――同意する資格
第五章 能力がない――医療への資格
第六章 手に負えない――身体を管理する資格
第七章 サポートされない――家事労働をしてもらう資格
第八章 想定されない――知への資格
第九章 選ばれない――権力を得る資格
第一〇章 絶望しない――少女たちの資格
謝辞
訳者あとがき
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。