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1918年、東京帝大では宮崎龍介などを中心に、虐げられた民衆の権利獲得を謳う学生団体・新人会が結成された。1920~30年代を大衆社会状況と捉えた彼らは、青年知識人特有の情熱とエネルギーで社会の改良を行うべく奔走する。だが、白蓮事件などの「スキャンダル」を利用した情報操作を含む彼らのメディア戦略は強い啓蒙的性格を帯び、やがて上からの社会統制への志向と表裏一体になっていく。さらにそれは日本の大陸侵略とアジア主義を肯定し、近衛新体制にも連なっていってしまった。より良き社会を目指した青年たちの夢と蹉跌を通して、ついに大衆社会が形成され得なかった戦前日本社会の実像を描き直す。
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