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これまで、日本においては、法律事務所、会計事務所、特許事務所、経営コンサルタントといった専門職が主たる構成員である専門サービス組織(Professional Service Firms、PSFs)について十分に研究されてこなかった。このような組織においては、個人の成長に重点がある一方で、組織を成長させることに熱心でないような印象を与えるかもしれないが、実際には、成長は重要な目標となっている。
本書は、顧客とサービス範囲の拡張がどのように専門サービス組織の成長率に影響するのかを、日本の大規模な特許事務所を対象に分析した研究成果である。成長に影響を与える要因として、上級の専門職(パートナー)と一般の専門職(アソシエイト)の「時間の使い方」と、人材育成も含めた「組織内分業」を挙げ、顧客やサービスの範囲を拡張すれば、組織成長が達成できるという単純な見方に疑問を投げかける。
高度な知識を扱い専門職的な働きが求められる営利組織も増加しつつあり、それらの営利企業にも多くの示唆を与えるだろう。
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