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装幀 成原亜美(成原デザイン事務所)
装画 クォン・ソヨン「ghost」
どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。
クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。
表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。
なんでもない場所で静かに働きながら、何かが変わる予感をキャッチするクィアたち。どこかバランスが崩れた場所で、不穏な気配を感じ取りながら生きる女性たち。
チョ・ウリは、不安定な世界に身を委ねざるを得ない人びとの動揺を丁寧に描き出す。本当は誰もが揺れている、その不可視化された振動が、いま、見える。
――高島鈴(ライター、アナーカ・フェミニスト/『布団の中から蜂起せよ』著者)
チョ・ウリの小説を読むとき、呼吸が軽くなる。心温まる話のときも非情な話のときも、風通しがちょうどいいから絶望に息切れすることがない。枕元に置いておきたい多孔質の物語。じっと耳を当てていると、以前は聞こえなかった声が聞こえてきて、見過ごしていた瞬間を振り返っている自分がいる。すらすら読めるのに、手を止めて考えさせる。なんて貴重な小説だろう。八篇の作品はどれも、人生の鮮やかなシーンを捉えることにとどまらず、追いついてこない世界に負けてなるものかという意志にあふれている。その力強さにこそ未来がある。
――チョン・セラン(小説家/『フィフティ・ピープル』著者)
<あらすじ>
「私の彼女と女友達」
五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。
ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。
「非婚式にご招待します」
【もくじ】
私たちがハンドルをつかむとき
11番出口
ミッション
私の彼女と女友達
ねじ
物々交換
ブラック・ゼロ
犬五匹の夜
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