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本書の執筆陣は、ウクライナ戦争と日本を取り巻く戦略環境を論じ好評を得た書籍『ウクライナ戦争の衝撃』の著者を中心とした防衛省防衛研究所の研究者。2022年、防衛研究所において実施された共同研究の成果をまとめたもので、「分断」への岐路に立つ大国間関係と流動化する地域秩序の行方を多角的に分析しています。危機が充満する不確実な世界の構図と実相を深く理解し、日本の針路を考えるうえで必携の1冊です。
■本書「序章」「あとがき」より
米中関係における安全保障と競争の論理の強まりは「経済か安全保障か」、「米国か中国か」との選択をめぐる各国の判断を今まで以上に困難にしている。安全保障の論理が米中両国の戦略や政策を支配する状況は経済と安全保障の峻別を許さない。中国への経済的な依存は、対外的な影響力行使の手段を北京に提供し各国の戦略的な脆弱性を高める。米中戦略的競争とは何かを明らかにしたうえで、それが各国・地域でどのように派生するのかを解明する。本書の編者が共同研究のメンバーに提示した研究のねらいである。
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