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長年、日本国憲法はGHQから押しつけられたもので第九条も例外ではないという「俗説」が広まってきた。だが、憲法九条の「戦争放棄」条項を提案したのは日本政府の最重要人物だった。その名は、時の首相・幣原喜重郎──。占領下の時代背景と史料を読み解きながら、幣原が九条の提案者であったことを丹念に論証し、左右両方向からの「幣原発案否定説」を徹底批判。「百年後には私たちは予言者と呼ばれますよ」。幣原が九条に託した「平和への想い」とは。
《目次》
はじめに
第?部憲法九条幣原喜重郎発案の証明
第1章「国体護持」に執着した天皇
第2章天皇が望んだ大日本帝国憲法改正
第3章幣原内閣における憲法改正作業
第4章マッカーサー・天皇・幣原による「象徴天皇制」への移行
第5章幣原の憲法九条発案とマッカーサーへの提案
第6章幣原内閣、GHQ憲法草案受け入れ
第7章幣原内閣による「憲法改正草案要綱」の発表
第?部憲法九条幣原喜重郎発案否定説への批判
第8章幣原内閣閣僚の幣原発案肯定者と否定者
第9章憲法九条幣原発案否定説への批判
?終章憲法九条に託した幣原の平和思想
《著者紹介》
1944年、群馬県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程東洋史学専攻中退。学術博士(東京大学)。都留文科大学名誉教授。専門は中国近現代史、日中関係史、東アジア近現代史。主著に『南京事件』(岩波新書)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(汲古書院)、『日本軍の治安戦』(岩波書店)、『憲法九条と幣原喜重郎』(大月書店)、『日中戦争全史(上・下)』『通州事件』(以上、高文研)、『海軍の日中戦争』(平凡社)、『増補 南京事件論争史』(平凡社ライブラリー)などがある。
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