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頼山陽の『日本外史』は司馬遼太郎の小説に匹敵するほど面白い本である。一方で偏った読み方をされやすい一冊でもあり、例えば吉田松陰は弟子たちと本書を読む際、平和を築いた徳川の功績を全く無視してしまった。古代のギリシア人著述家プルタルコスが説く「ヘロドトスの悪意」の第三(立派な業績や称賛に値する手柄を省略すること)に当たると言えよう――。
歴史学の泰斗が歴史書を読む愉しみや落とし穴を語った上で、青春時代最も感動した作品『留魂録』、美談や偽善では民主主義を守れないことを教える『ギリシア人の物語』、大きな時間枠でエネルギーを考える『エネルギーの人類史』など名著75冊を紹介。
【本書で紹介している本の例】
●『エネルギーの人類史』 先史から現代へ変遷見渡す
●『Humankind 希望の歴史』 小社会では親切で共感力のある人が権力を得る
●『アルファフリー』 公平な者は異教徒でも望ましい
●『言志四録』 歴史で混沌を乗り切る
●『昭和天皇実録』 歴史全体を俯瞰する意義
●『徳川家康』 家康はなぜ「大坂の陣」開戦に踏み切ったのか
●『ギリシア人の物語』 美談では守れない民主主義
●『外交の戦略と志』 志の高い外交とは
●『ハイブリッド戦争』 宇宙・サイバーを通した挑発や衝突を読み解く
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