チベットを代表する7人の女性詩人が長い沈黙をうち破り、自らの人生を力強く詠んだ詩(うた)の世界。80年代のフェミニズム運動の潮流をうけ、ジェンダーによる社会の偏見や、妊娠・出産する性である自らの身体を描き、女であることを讃美し、労働の重圧や、亡命への決意をつづり、これから歩むべき道を模索する。詩は彼女たちが道を切り拓くために必要な「武器」でもあった。
本書の詩を通してみえてくる彼女たちの姿には、わたしたちの歩んできた道もかさね合わされる。知られざるチベットの女性事情をつたえる7つのコラムを併載。本文の挿絵は、司馬遼太郎・原作『ペルシャの幻術師』、『月と金のシャングリラ』で話題の漫画家・蔵西が担当。読者が楽しく読めるよう、魅力的な一冊となっている。不透明な時代に行き惑う人々に、今、感動と新たな視座をとどける本
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