揺籃はごんごん音を立ててゐる 真白いしぶきがまひあがり 霧のやうに向ふへ引いてゆく
the cradle crashes and crashes again pure white sea spray dances high disappearing into the distance like mist
(「海の捨子 ABANDONED CHILD OF THE SEA」)
戦中・戦後の女性詩人の研究を専門とする研究者であり、バイリンガルの菊地利奈と、オーストラリアの日本文学者であり、翻訳者、故・キャロル・ヘイズの共訳による左川ちかの翻訳プロジェクト。1930年代に女性として、アジア、なかでも北海道というポストコロニアル的周縁を生き、いまなお鮮烈な印象を残す詩人の世界的再評価。
翻訳をみずからの「詩法」とした左川ちかへの時空を超えた応答。ヴァリアント「死の髯」「幻の家」、「海の天使」「海の捨子」、散文「魚の眼であつたならば」を含む、厳選24篇。
推薦文=水田宗子、エリス俊子、松尾真由美
写真=花代、ブックデザイン=佐野裕哉
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