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政治は腐敗し、外交は失敗、
弱者は迫害され、正義は堕落した。
救いなき国に「予言者」、現わる!
急激な国力膨張、不自然な繁栄の反動で社会が歪み、傾国の途についた紀元前九~八世紀のイスラエル。抗えぬ苦難の日々の中、命を賭して予言者が起ち上がる! 旧約の宗教思想上、特筆すべきエリヤ、アモス、ホセア、イザヤ、ミカ、エレミヤを取り上げ、その生涯や、神・罪観を比較検証。経済・思想的に多難な今こそ手にしたい一冊。
目次
まえがき
エリヤの宗教改革
1 序言
2 予言者エリヤの時代的背景
3 対カナン文化の問題
4 アハブ時代の宗教および道徳問題
5 エリヤの宗教改革運動
6 結語
アモスの宗教
1 彼の人物
2 彼の時代
3 神観
4 祭儀の問題
5 罪観
6 審判
ホセアの宗教
1 彼の人物と時代
2 彼の家庭
3 神観
4 罪観
5 審判
6 結語
イザヤの贖罪経験――イザヤ書第六章の研究
1 彼の見た幻
2 神観
3 贖罪
4 召命
5 審判
ミカの宗教思想
1 序言
2 彼の人物と時代
3 彼の神とイスラエルの罪
4 審判と希望
5 結語
エレミヤの召命経験――エレミヤ記第一章の研究
1 序言
2 彼の生い立ち
3 万国の予言者
4 あめんどうの枝
5 煮え立っている鍋
6 結語
神とエレミヤ
「主の僕」の歌
〈付 録1〉旧約研究の方法論について
〈付 録2〉政治の世界における予言者の論理と倫理
解 題 田島 卓(東北学院大学准教授)
*本書の原本は1997年3月、『豫言者の研究』として、新教出版社より刊行されました。
文庫化にあたり、読みやすさに配慮して、豫言を予言と新字に代えるほか、旧字を随時、常用漢字に置き換えています。またルビの追加を行い、明らかな誤植は訂しています
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