近年、多くの消化器外科手術で手術死亡が減少した一方で、術後合併症は増加傾向にあります。この理由として、患者の高齢化と併存疾患の増加が挙げられています。手術方法、周術期管理の進歩にもかかわらず合併症が増加しているという事実は、社会環境の変化に応じて今後も手術をさらに進化させていく必要があることを示しています。これまで多くの消化器癌手術において、術後合併症が独立した予後不良因子になることが報告されていることから、合併症の減少と重症化予防が、癌の予後改善の観点から重要な課題と考えます。
本書では、当科での経験を基に、様々な解析によって得られた合併症の予測・予防・対策に関してまとめたエビデンスを臓器ごとに編集しました
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