本書は,職業リハビリテーションにおいて,認知行動療法をどのように実践的に活用していくのかを紹介したものです。精神障害や発達障害のある人への就労支援は福祉だけでなく医療や産業などの領域をまたいで展開されます。本書では,それぞれの領域の第一線で実践・研究をされている方たちが,職業リハビリテーションの歴史や成り立ちから,各領域における認知行動療法の導入や支援モデルの構築,当事者の職場定着や支援従事者の育成まで幅広く論じています。
認知行動療法に基づくソーシャル・スキル・トレーニングやストレスマネジメント,当事者と環境の相互作用のアセスメントや当事者の継続的なセルフモニタリングなどの技法を効果的に組み込むことで,就労支援のパフォーマンスを高めてゆくことができるでしょう。障害のある人たちの「働きたい思い」の実現のために日々奮闘している援助職の方たちにぜひ読んでほしい一冊です。
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