バナッハ・タルスキーのパラドックス

バナッハ・タルスキーのパラドックス

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出版社
共立出版
著者名
グジェゴシュ・トムコヴィッチ , スタン・ワゴン , 佐藤健治
価格
7,700円(本体7,000円+税)
発行年月
2023年4月
判型
B5
ISBN
9784320114876

Banach-Tarskiの逆理(パラドックス)とは、「球体を有限個に分解し、剛体運動で動かして組み立てることにより、2倍の大きさにできる」という驚くべき数学的帰結である。物理的な常識からずれていることから逆理と呼ばれるが、選択公理から論理的に導かれる、れっきとした定理である。
 この逆理に関わる理論は、解析学(測度論と線型汎関数)、代数学(組合せ群論)、幾何学(等長変換群)、トポロジー(局所コンパクト位相群)、数学基礎論と多岐にわたる。本書は、この逆理とその周辺結果を詳細に解説した専門書である。
 原著の初版は1985年に発行された。新版では、逆理に関する多数の新しい結果と証明、未解決の問題を掲載している。その中には、Escherの有名な木版画『天使と悪魔』に関係する、双曲平面における逆理もある。新しい章(第9章)は、60年以上にわたって未解決であった問題「円の正方形化」の完全な証明に充てられている。

  [原著: The Banach-Tarski Paradox, 2nd Edition, Cambridge University Press, 2016]

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