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ガストン・バシュラールの後継者として、偉大な科学史家として、フランスのエピステモロジーを牽引したジョルジュ・カンギレム。ミシェル・フーコーやフランソワ・ダゴニェらにも大きな影響を与えたことで知られる。
その主著『正常と病理』を、カンギレムに直接指導を受けた著者が精緻に読み解き、その現代的意義を新たに開く。
【原書表紙の内容紹介より】
カンギレムは、偉大な科学史家であるだけでなく、バシュラールの後に続くエピステモロジー的合理性の哲学者であると長きにわたって考えられてきた。彼が1943年から発展させてきた病気と健康についての諸問題は、このような合理性の根底に、批判的エピステモロジーが依拠する第一哲学の存在を想定している。
この第一哲学は、カンギレムによって打ち立てられた、一方では生命と規範の、他方では生命と認識の関係の中に存在する。生命とは規範の創造である。生命の規範であれ、社会の規範であれ、唯一の規範性というものは存在しない。存在するのは、諸個人の社会への所属の仕方によってさまざまに決定され、理解される生の多様な形式である。いかにして、唯一の規範性への批判によって、生物学的であり社会的でもある生命ある存在の哲学的再定式化に行きつけるのか、それこそが、たえず考え直され、修正され続けたカンギレムの著作『正常と病理』を貫く最も重要な企図であり、われわれが提案するのはその再読である。
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