はじめて あった

はじめて あった

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出版社
青幻舎
著者名
大橋仁
価格
12,000円(本体10,909円+税)
発行年月
2023年4月
判型
B4変
ISBN
9784861529115

事件といっても過言ではないような、大きな物議を醸した衝撃作「そこにすわろうとおもう」から10年。静かに沈黙を破る、大橋仁の新作がついに完成。


大橋にとって写真を撮ることとはそうせざるを得ない行為であり、自分の命が反応してしまったものを、命が命じるままに記録したものが写真であるという。

脳細胞を直接刺激する何かへの反応。
射精のようでただ気持ちがよいわけではない、排泄のようでそれほど簡単ではない、やらざるを得ない、出さざるを得ない、人間の本能や命の深いところと関わっている、生きることの副産物として生まれるもの。

人ははじめての人生を生きている。
そして、人生とは「はじめて」との出会いを繰り返している行為ともいえる。

母の死
昆虫の視線でパンティを透かして見た
生命の旋律
肉として生きるとは、人とは。

本書は大橋にとっての自分の中の「はじめて」との出会いの記録である。
目の前に「はじめて」「あった」ものが写真になる。
それは処女作「目のまえのつづき」から変わらないスタンスといえるだろう。

本書に収められた写真をどう捉えるか、それは見る者に委ねられている。
先入観を捨てて、大橋の命ともいうべき写真群を眺める時、そこには見る者にとっての「はじめて」が「ある」。

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