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脳の外傷・損傷によって生じる障害である「高次脳機能障害」。
現在では国による支援の対象となっており、
一方では各地域で当事者団体が設立されるなど医療・福祉のサポートも広がりをみせている。
だが、わずか20年ほど前までは障害者手帳交付の対象にもなっておらず、
公的な支援がほぼないという状況だった。
そうしたなかで当事者たちが声を挙げ、国会議員がその声をすくい上げて制度化へと動き出し、
医療者・行政が枠組みをつくり、各地域に支援の輪が少しずつ広がっていったのである。
本書はその渦中にいた著者がこれまでの歩みを振り返り
いかにして高次脳機能障害者への支援が進んでいったのか、回顧的に記したものである。
支援に携わる医療者・関係者はもちろん、
現在も多くの課題が山積する医療・福祉の分野において
どうすれば制度として当事者に支援を届けられるのか、理解にもつながる貴重な内容となっている。
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