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本書は,大学の理工学系ならびに情報科学系における,線形代数学の入門書である.線形代数学は,数学そのものはもとより,理工学や情報科学のあらゆる分野において,現象を数学を用いて記述する場合,なくてはならない理論である.したがって,多くの大学で1年次の必修科目となっている.しかしその一方で,高等学校までの学習内容の変遷や入学試験制度の多様化により,様々な学力の学生が入学しており,
基礎学力にバラつきが見られることも少なくない.
そこで本書は,序章において2次行列の基礎的な計算方法の解説を行っており,無理なく行列の計算方法を身につけられるような工夫がなされている.また,以前の高等学校では指導されていた空間内の直線や平面の方程式に関する事柄が,最近の学習指導要領から削除されており,3次元空間内の1次元または2次元部分空間を視覚的にとらえることが不得手である.そこで,第4章(後期における序章という位置づけ)において,空間内の直線と平面の方程式の解説を行った.
本書の内容は,行列および行列式の計算,連立1次方程式の解法,逆行列,ベクトル空間と線形写像,固有値と固有ベクトル,内積と行列の対角化,応用として2次曲線の分類などである.いたずらに難解な議論は省略し,基本的な論理の解説と,具体的な状況の理解や計算力の習得に重点を置いた.そのため,証明を省略した所もいくつかある.演習問題は各節の末尾に準備した.いずれも基本的な概念の理解や計算力を養うものであり,演習を通して,理解を確かなものにしてほしい.また,本文の途中で講義理解のために問いを置いたところもいくつかある.いずれも簡単な問いなので,確認してほしい.
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