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中世の終わりに登場した戦国大名が自らの力で領国をつくり上げ、幕府や守護といった古い権威から自立して新しい地域支配を行う。このような教科書的な戦国時代像は、じつは「戦国大名」とは何かという判別基準からして曖昧なままに積み上げられてきたもので、近年の研究の深化により多方面から問い直されつつある。本書は、戦国大名という概念を疑うことなく構築されてきた従来の研究に対し、戦国期の守護を軸にすえて多様な権力秩序の展開の様相をさぐったものであり、戦国期守護論を提示して当該期の権力論の再構築を目指す。
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