第二次世界大戦中、国家の団結という見せかけの一体感の下で「書くこと」によって真摯に戦い続けた女性作家たちが存在していた。今回の論集において扱った女性作家たちはひとりひとりの人間の叫びにきわめて敏感であった。イギリス小説を研究対象とする執筆者たちはそれぞれの観点から自らが選択した女性作家たちの第二次世界大戦を論じる。
目次
序・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・河内 恵子
第一章 暴力を描くこと、小説を書くこと
『歳月』、 『幕間』、 ヴァージニア・ウルフの晩年・・・・・・・麻生 えりか
第二章 覇権の脱構築
レベッカ・ウェストのフェミニスト戦争論・・・・・・・・・・・・生駒 夏美
第三章 不在の戦争の言語的形象
『日ざかり』 における空間と時間・・・・・・・・・・・・・・・・遠藤 不比人
第四章 永遠の訪れ人の美学
戦争を書くスティーヴィー・スミス・・・・・・・・・・・・・・・・河内 恵子
第五章 難民と英文学
オリヴィア・マニングのバルカン三部作と後期モダニズム・・・・・・松本 朗
第六章 ユーモアの居場所
戦後社会とエリザベス・テイラーのヒロインたち・・・・・・・・・・原田 範行
第七章 『ミニヴァー夫人』 と 『日ざかり』 から 『夜愁』 へ
第二次世界大戦の映像化と女性作家たちからの貢献・・・・・・・・・秦 邦生
あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・原田 範行
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