植民地時代、独立革命前後、そして19世紀、
アメリカはつねに「改革」とともにあった。
文学、宗教、歴史、文化をカバーする多角的な論考と、
先端的な視座から重要事項を俯瞰するエッセイにより、
学際的なアプローチで初期アメリカ研究を更新する。
[目次]
序章
初期アメリカ学会論集刊行にあたって(佐久間みかよ)
第一章
ロジャー・ウィリアムズ寛容論の背景
--類型化と論点整理(森本 あんり)
第二章
外交・戦争・条約によるイギリス人-先住民関係の形成と変革
--一六〇七-一七〇一(森 丈夫)
【キーワード・エッセイ】
ポカホンタス--その人物像と先住民論的転回の行方(塚田 浩幸)
アングリカン(イングランド国教会)(矢島 宏紀)
第三章
ベン・ジョンソンの「新世界」と急進派ピュータリニズム
--宮廷仮面劇と宗教的熱狂(荒木 純子)
第四章
サミュエル・シューワルのメキシコ幻想(佐久間 みかよ)
第五章
ジョナサン・エドワーズ「忠実なナラティヴ」における少女たちの回心
--アビゲイル・ハッチンソンとフィービ・バートレットの場合(増井 志津代)
【キーワード・エッセイ】
初期アメリカにおける子育て(大鳥 由香子)
エドワード・テイラー(皆川 祐太)
メソジスト運動(星野 文子)
第六章
北米大陸形成史事始
--一七四三年の内陸探検とフィラデルフィア啓蒙(鰐淵 秀一)
第七章
独立戦争期を綴った船乗り
--迷える愛国派・厭戦の無党派(笠井 俊和)
第八章
大西洋世界のなかのアメリカ建国期
--ジョン・モールトン船長関連新史料の一考察(和田 光弘)
第九章
大統領期マディソンの北米辺境政策
--西フロリダ併合宣言(一八一〇年)を中心に(遠藤 寛文)
【キーワード・エッセイ】
初期アメリカにおける医療と女性の役割(天野 由莉)
グリムケ姉妹(佐野 陽子)
⑧クエイカーとホーソーン(大野 美砂)
第一〇章
建国期アメリカの女性と読書
--小説が広げた女性の領域(田辺 千景)
第一一章
ガブリエルの叛乱
--未曾有の大嵐によって頓挫した大規模奴隷蜂起計画(白川 恵子)
第一二章
奴隷制廃止をめぐるエマソンの視座
--変貌する社会と知識人の役割(小倉 いずみ)
第一三章
「鉄道以前の時代」という歴史意識
--ストウ文学にみるアメリカ地方主義文学の伝統(若林 麻希子)
【キーワード・エッセイ】
一九世紀前半の通史と経済(橋川 健竜)
終章
初期アメリカ学会の原点とこれから(大西 直樹)
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