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法人資産税分野では非上場株式の評価が出発点となります。現在では、自社株評価は特殊領域ではなくなってきていること、事業承継対策においてポイントとなる自己株式の取得等や組織再編成、事業承継に係る資本政策プランニングにおいて自社株評価について、特に初期における税額シミュレーションの重大性が広く認識されています。
筆者はこれまで、「非上場株式の評価」について具体的なチェックシートを説明していませんでした。しかし多くの読者からのリクエストにこたえ、ここに具体的な記載方法について改めて説明していきます。また、過去の拙著と同様、随所でその他周辺事例を取り上げています。
なお、同族特殊関係者間の税務上の適正評価額の考え方等について本稿は一切主題としておりません。これらの考え方について参照されたい方は『新版Q&A 非上場株式の評価と戦略的活用手法のすべて』(ロギカ書房)をご活用ください。
本書の大きな特徴は、以下の点に集約されます。
・初級者から上級者まで幅広い読者のニーズにこたえるものを意識しています。
・論点は意図的にニッチな分野まで踏み込んで、特に網羅性を重視しています。そのため、類書では軽く扱っている記載についても誌面の許す限り詳細な解説をしています。
・裁決・裁判例・判例についても網羅性を重視し、できるだけ実務上のヒントになるような汎用性のあるものを厳選して掲載しています。
・評価は「不知・うっかり」で失念することが大半であり、苦手意識を持っている実務家が多いため表現はできるだけ平易に、また、随所に非常に簡単な「よくある」事例を組み込み、具体的な取引をイメージしていただけるようにしました。一方で、実務上稀な事例についても上級者向けに汎用性のある取引のみを厳選し掲載しています(この点に関しては論点の切り貼りと感じられる読者もいらっしゃることと存じますが、課税実務での多くの失敗は「不知・うっかり」によるものです。したがって、論点は誌面の許す限り掲載しました。しかしながら、リストリクテッド・ストックや国外転出時課税などは意図的に割愛し、あくまで「普段よく使う周辺課税実務」にこだわっています)。
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