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大著『哲学』を完成させた後、ヤスパースは新たな歩みを始める。その記念碑的な一歩が、この『理性と実存(』1935年)である。本書は、キルケゴールとニーチェを並べて、いわば同じ仲間として、西洋哲学史上に位置づけ、ヤスパース自身の思想展開上は、「理性」と「包越者」を初めて明瞭に取り出した著作として特筆されるべきものである。その視点は独創的であって、キルケゴールとニーチェの、生きる根本姿勢を抉り出すことによって、その対立を表面的なものとする。また、カント以来の伝統である「理性」を、「実存」という見かけ上正反対のものと連関させる。その「理性」は、あらゆる有限な対象的思考を超越して「包越者」を開明し、すべての人との交わりを求めてゆくという、西洋哲学史上、新たな局面を開くものである。
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