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昭和の末期、大流行したビックリマンチョコのおまけシール。その渦中にあった6歳と3歳の息子とその仲間たちの克明な日誌的観察記録をもとに、子ども文化、子ども経済、仲間関係の発達を社会歴史的な文脈の中で丁寧に描き出した稀有なフィールド研究。
子どもたちはシール交換やシール収集を通じてなにを学んでいたのか? 日々の何気ない些細な出来事を、子どもたちの生きる時代や社会状況を踏まえて丁寧に分析する。
目次
はじめに
序 章 ビックリマンシールに先立つ子ども文化
1 子ども文化としてのメンコ
(1)メンコの〝起こし〟勝負の歴史
(2)戦前の子どもたちのメンコ遊び
(3)戦前から戦後への子どもの遊びの変化
(4)戦前から戦後へ「メンコ」遊びに共通する特徴
2 高度資本主義社会の「子ども文化
(1)仮面ライダースナックの登場
(2)ビックリマンチョコの登場
■第一部 ビックリマンシールへの欲望に火がつき燃え上がる
第一章 欲望がくすぶり始め火がつく
▼1987年7月・8月・9月▲
1 お菓子のおまけのシールを集める
(1)お小遣いをもたず駄菓子屋を知らない子どもたち
(2)Uが「ドキドキ学園シール」を集め始める
2 シールの収集と交換が意味すること
(1)二つの所有概念
(2)「素朴な交換」と「私的所有物の物々交換」
3 「シール交換」という交渉術
(1)Fが他者の欲望を欲望せよと教える
(2)3歳児Yにとってのシール交換の意味
(3)シール交換のために他児をだましたり恫喝する
4 ビックリマンシールへの欲望が芽生える
(1)ビックリマンシールを集めているミヤ君からのプレゼント
(2)ビックリマンシールへの欲望の誕生
第二章 欲望の火が燃え広がる
▼1987年10月・11月・12月▲
1 テレビ放送や小学生などエクソシステムからの誘惑
(1)子どもに作用している四つのシステム
2 ビックリマンシールが生み出す新たな関係世界
(1)年上の子どもたちとの交流
(2)シールを介した仲間との関係(UとYの態度から)
(3)シールをめぐる子どもたち
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