製品設計にシミュレーションモデルを用いるモデルベース開発(MBD)について,MATLABを用いて体験的に学習できる良書の改訂版。HILシミュレータなどもWebで提供し,今回の改訂ではスマートMBDについても紹介した。
【各章について】
本書は,おもに1章~3章の準備にあたる部分と,MBDの醍醐味となる4章~6章から構成され,さらに新しく7章ではMBDの今後について概観している。
1章『モデルベース開発(MBD)』では,「MBDとは何か?」について,MBDによる開発エピソードを交えながら,わかりやすくまとめている。
2章『MATLAB/Simulinkによるモデル構築』では,モデリング,シミュレーション,検証などモデルベース開発に必要不可欠となる開発ツールの操作方法を中心に解説している。
3章『物理モデリングと解析の基礎』では,「モデルとは何か?」に始まり,微分方程式による物理モデリングについて,上述の開発ツールを用いた実習を通して詳述している。
4章『MILS』では,「DCモータの制御システム」を題材として,MILS(Model?In?the?Loop Simulation)の手順をわかりやすくまとめている。
5章『HILS』では,HILS(Hardware?In?the?Loop Simulation)について解説している。
6章『MBC』では,モデルと実システムとをつなぐキャリブレーションとしてMBC(Model?Based Calibration)の概略を紹介している。
7章『モデルとデータのインタプレイによるスマートMBD』では,「モデル」と「データ」のインタプレイ(相互作用)に基づく新しいデジタルものづくり開発プラットフォームの必要性を述べるとともに,その開発プラットフォームの一例として,編者らが広島大学デジタルものづくり教育研究センター「データ駆動型スマートシステムプロジェクト」において考察を重ねてきた「スマートMBD」を紹介している。
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