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援助関係における対話のなかで言葉は,どのように機能するのでしょうか? 本書は相談場面(カウンセリング)における思春期クライアントとセラピストの対話をとりあげ,そこで交わされる言葉に着目し,その言葉がどのように思春期クライアントにポジティブあるいはネガティブな影響もたらすかをあきらかにしています。
PART1で「思春期支援のエッセンス」と題して,思春期クライアントの特徴と思春期支援のゴール(とそのゴールに至る道筋),思春期支援において大切な概念・技法を紹介しています。PART2とPART3では,〈親に連れられてやってきた思春期のクライエント〉という同一のケースの「初回インテーク場面」を取り上げ,思春期支援の目標である「自分で考え,自分で行動できる」ための支援,つまり「自己理解」→「意思形成」→「意思決定」→「行動」までを伴走する,カウンセリング場面を紹介していきます。ここではセラピスト・クライアントの言動のもつ意味や機能を詳述しています。
PART4ではあらためて,PART3で紹介した「カウンセリングの成功例」の重要局面をピックアップし,一連のやりとりのなかで展開された理論的背景を解説します。
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