今日の西欧の代表民主政では、選挙や国民投票などの制度的回路、デモのような非制度的形態の双方で、既存の議会制の制度的枠組では十分制御しきれない様々な社会的な要求・異議申し立ての表出が見られる。本書は、こうした状況に憲法学の観点から向き合い、統治と並ぶ議会制の構成要素である代表・統制という契機に着目し、両者を包摂する対抗権力という概念を設定することで、議会制の中に散在する「対抗」の諸要素を析出する。次いで、そうした分析で得られた諸要素を比較と歴史という視座から突き合わせ、対抗権力という観点から議会制を再画定する理論を構築するとともに、制度化へのインプリケーションを得ることをめざす。
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