データ分析の方法論としての統計学は、現代社会に於ける基礎知識として非常に重要な役割を占めており、文系・理系問わず必須スキルとされる。医療分野でも同様で、膨大な検査データ、薬物の作用・効果の治験データ、保健所での調査データなど、統計学が活躍する場面は非常に多い。
実際の現場でのデータ処理は解析ソフトを使うことがほとんどであるが、分析結果が患者の健康や生命に直結する分野であることから、運用には一層の精確さが求められ、そのためには統計学に関する数学的な理解をしていることが必要不可欠である。そこで本書は、必要であれば高校~大学教養程度の数学のトピックも積極的に記述をし、解析ソフトに頼りきりの曖昧な知識ではなく、理論的な根拠に基づいた確乎たる知識を身に着けられるような構成で執筆をしている。
例題や演習には医療系の問題を豊富に用意し、医療系の学生が無理なくステップアップを図れるよう配慮した。
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