「バンドとは何か」
サカナクションの山口一郎さん、bonobosの蔡忠浩さん、くるりの岸田繁さん、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん、それぞれの答え。
バンドって、ふしぎだ。
ふだんは会ったりしないのに、もっと言えば、それほど仲が良さそうでもないのに、彼らが音を出し合えば、心がふるえて止まらなかったりする。
昨日ギターを買ったばかりの中学生が、「バンドを組んだ」というだけで、どこか、なぜだか、誇らしげな顔をする。
絶頂なのに、何かの理由であっさり解散して伝説になったりする。
ある瞬間にはダイヤモンドより硬く結合する反面、床に落とした消しゴムほどの衝撃で分解してしまいそうな脆さを孕んだ、人間の集合体。
「バンド」のその魅力、そのふしぎさとはいったい何なのか、という問いの答えを知るために、5つのバンドのフロントマンに尋ねたインタビューが1 冊の本になりました。
サカナクションの山口さんは「バンド」を植物園に例え、「個性が個性のまま活きる塊だけど、一歩引いて見たら、ひとつの世界が広がってる」というバンド観を。
bonobosの蔡さんは曲や歌詞を書いたり、つくった歌を歌ってる「理由」そのものが、「バンドだったから」であり、「バンド」が「歌を歌う」場所であることについて。
くるりの岸田さんは、さまざまに形を変えてきたくるりという音楽の集団の真ん中にあるずっと変わらないもの、「くるりがくるりでいること」について。
サニーデイ・サービスの曽我部さんは「バンド」というものの原点である「スリーピースの無限の可能性」を。
そして、ザ・クロマニヨンズのヒロトさんはいまだに憧れている「バンド」への思いと、「ロックンロールとは何か」について。
5人がそれぞれに「バンド」への思いを大いに語っています。
本書は2021年1月から2月にかけて「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載された特集「バンド論。」に、加筆修正をしてまとめたものです。
書籍版の特別コンテンツとして、本書のために「バンド」をテーマに書き下ろされた、燃え殻さんによるエッセイと今日マチ子さんによる短編マンガを巻頭と巻末に収録しました。
「バンド」経験のあるなしにかかわらず、少し体が熱くなるような、ピュアでストレートな音楽賛歌です。
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