質的調査と量的調査をバランスよく学べる究極の入門書!
人々の思いや暮らしのリアリティを知ることをとおして、他者と社会の多様な姿を発見していく社会調査。この一冊から調査の一歩を踏みだそう。社会調査士カリキュラムのA・B科目に対応。
【「はじめに」より】
私たちが生きる現代社会には、実に多様な人びとが暮らしています。一人ひとりが異なった言語や文化、身体的特徴、セクシュアリティ、学歴や仕事を持ち、さまざまな考えや思いを持って生きています。各種メディアが発達し、空間を瞬時に飛び越える膨大な情報に触れられるようになったいま、私たちは共に生きる多様な人びとについて、以前よりもよく知れるようになったと感じているかもしれません。しかし、世の中を飛び交う情報には、事実ではないことや偏ったものがしばしば紛れ込んでいます。また、当然まだ見えていないこともあります。共に生きている人びとのことを正しく、よりよく知るためにはどうすればいいでしょうか。そのひとつの方法が、社会調査です。
本書は、はじめて社会調査を学ぶ人のためのテキストです。本書が大事にしたのは、社会調査を「他者を知る営み」と考える視点です。ここで「他者」と呼ばれているのは、普段かかわりがない「他者」、あるいはかかわっているのに知らなかった「他者」、また同時に自分自身の中にある「他者」のことです。インタビューなどの質的調査にしろ、アンケートなどの量的調査にしろ、社会調査を実際に行うと、これまで知らなかった人びとの姿に出会うことができます。これまで見えていなかった人びとの思いや暮らしのリアリティを知ることができ、それがひるがえって自分の中にあった未知の側面にも触れることになるのです。そうした「他者」を正しく、よりよく知ることをとおして、私たちが生きる「社会」の本当の姿を発見していく──そのような社会調査像を執筆者たちが共有して、この本は編みだされました。
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