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こうして書物は国境を越え、日本の児童雑誌が生まれた。
近代日本において児童雑誌がどのように生み出されたか、どのような読書文化を形作ってきたのか、歴史的な視座から問いなおす書。
従来の「創造性」や「芸術性」を中心に論じられてきた児童文学史に対して、西洋からのノウハウの習得や、流通構造に着目することで、当時の児童雑誌とその読者のありようを立体的に描く。
キリスト教と教育関係、ふたつのルートから、子どもの読み物が日本に入り、そして翻訳・編集を経て児童雑誌が誕生し、日本に住む子どもたちに届けられ、そして読まれるまでの流れについて解明する。国境を越えて書物がもたらされ、新たな読者集団を形成していく、創造性に富んだ、日本の児童雑誌が生まれるまでのダイナミズムを、あますところなく明らかにする。
『少年園』以前の、いわゆる〈胎動期〉の児童雑誌から本格的に分析する初の書。
児童文学に関心がある人のみならず、書物学・図書館学等、書物に関心がある人、必読です。
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