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イタリアにわたり40年余り。
ミラノ、ヴェネツィア、リグリア州の港町、船で巡った島々……。
暮らしながら観てきた、イタリアの日常の情景。
コロナ禍でも人への思いやりを大切にし、いつもの暮らしを守ろうとしてきた。
それは、中世から疫病と戦い公衆衛生の礎を築いてきた、半島に生きる人々の品格なのかもしれない。
近寄って、離れて。
普通の生活には、たくさんの物語がある。ひとつずつ丹念に観て、淡々と伝えるエッセイ集。
常に、新たな切り口でイタリアに対峙してきた内田洋子が2016~2022年、新聞・雑誌・ウェブに寄稿した文章から厳選。
ふだん着姿のイタリアが、ここにある。
(目次より抜粋)
1. 海の向こうで見つけたもの
おかあさん
モッツァレッラ
誕生日
オリーブ
下宿
ピノッキオ
紙
郵便配達人
2. 独りにつき添うラジオ
イタリアの品格
「ひもとく」コロナ in イタリア
二月の立ち話
冬のサングラス
消えたコイン
二十八平米の南イタリア
3. 思いもかけないヴェネツィアが
深夜の散歩
干潟を横歩き
緑の海を渡る
間違いのない味
トリエステの北風
ミラノの椰子の木陰で
イタリアの島、瀬戸内海の島
あえてジョーカーを引く
沈むヴェネツィア
聖なる眺め
内田洋子(うちだ・ようこ)
1959年、兵庫県神戸市生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒業。通信社ウーノアソシエイツ代表。欧州と日本間でマスメディア向けの情報を配信。2011年、『ジーノの家 イタリア10景』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。他の著書に、『カテリーナの旅支度 イタリア 二十の追想』『どうしようもないのに、好き イタリア15の恋愛物語』『対岸のヴェネツィア』(集英社文庫)、『ミラノの太陽、シチリアの月』『ボローニャの吐息』『海をゆくイタリア』(小学館文庫)、『皿の中に、イタリア』(講談社文庫)、『イタリア発イタリア着』(朝日文庫)、『ロベルトからの手紙』、『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(文春文庫)、『十二章のイタリア』(創元ライブラリ)、『デカメロン2020』(方丈社)など多数。訳書に『パパの電話を待ちながら』『緑の髪のパオリーノ』『キーウの月』(ジャンニ・ロダーリ著 講談社文庫)など。2019年、ウンベルト・アニェッリ記念 最優秀ジャーナリスト賞を、2020年、イタリアの書店員が選ぶ文学賞 第68回露天商賞授賞式にて、外国人として初めて〈金の龍賞〉を受賞。
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