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初めて、もっと勉強したいって思った。
女子ゆえに進学に苦労した曾祖母つる子は、
ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすという。
ただし、そのためにはひとつ条件があって……。
高校受験とバレー部の両立、応援し心配する親からのプレッシャーに悩みながらも、わかばは挑戦するおもしろさを感じていく。
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つる子はこほんと一つ咳払いをして言った。
「奨学金をだすことにしたよ。」
奨学金?
わかばはきいたばかりの単語を心の中でくりかえした。(略)
座敷の空気は一気になごんだ。というか、軽々しいばかりにはずんだ。
だが、次の一言でまたピンと張りつめた。
「ただし、それにはひとつ条件があるよ。」
つる子がぴしゃりと告げたからだ。
(本文より)
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【編集者より】::::::::::::::::::::::::::::::::
高校受験をあつかってますが、女子の進学のしにくさもテーマです。
曾祖母つる子の時代は女子は上級の学校に行かせてもらえず、
母の時代には女子は短大(兄弟は四大)、
そして主人公わかばの受験にも合格点の男女差が立ちはだかります。
これは、男子はいい学校に行って、いい会社に入るのがよい、
という方向付けと表裏でもあります。
主人公のわかばと、いとこの樹が、受験を通じて、
ちょっとずつ、自分の人生を考えていく物語です。
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