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歴史を奪いあう地、それは果たして誰のものか。
暴力と民主主義が交錯するポスト大戦期、ナショナリズムが高揚する中東欧。
各国の思惑が渦巻く中、人々は何を求めて新たな国民概念を創りあげ、分離主義運動を行ったのか。
「脱国民国家化」するヨーロッパで今なお余燼がくすぶる歴史問題の淵源に迫る力作。
シュレージエンの支配国がドイツからポーランドに代わり、地域名称も「シロンスク」へと移り変わった現代でも、地域住民の多くが「シロンスク人」を自らの帰属集団と自覚し、その一部は自治権を求める運動を今なお展開しているのである。この帰属意識に基づいた地域的な権利をめぐる争いという観点から見ても、第一次世界大戦の「戦後」はシュレージエン/シロンスクにおいて終わってはいなかった。本書はその淵源のひとつを探る旅でもある。(本書より)
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