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デビュー作にしてこの完成度! もはや入手不可能とされていた幻の作品を待望の文庫化。
「何者かになりたい」もがく青年の焦燥と絶望を強烈な冗長さで描く幻のデビュー作。
どこまでもくだらない設定と呆れるほどバカバカしい登場人物たちの行動は、やがて現代人の抱える人間関係と心理を深くえぐり出していく。
大江健三郎を継ぐ天才がここにいる。今、必読の一冊。
就職した銀行を一年で辞め、仕事も恋人も失った自堕落な青年は小説家を目指す。その果てに何が待っているかも知らずに……。「文章を書くためだけに脳をカスタマイズされ他の能力を全てスポイルされた俺という怪物の書く小説が、なぜ他者の作品に劣るのか?」
迷走する自意識、崩壊するモラトリアム。これは悲劇か??それとも喜劇なのか??泣いた方がいいのか??笑っていいのか? ?渦巻くような自意識の階層構造に、やがて読者の意識も翻弄されていく……。
いま文芸界で熱い注目を集めている才能の一人、大人気カルト作家・佐川恭一の原点がここにある。
第3回日本文学館出版大賞ノベル部門大賞受賞作。
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