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魔族であるというだけの理由で、それを邪悪と断ずるロンドシウス王国。
その常識に抗い続けた、魔力を持たない”煤まみれ”、ロルフ・バックマン。
運命に引き寄せられ、ついにロルフが手にした”煤の剣”は、彼にこの世界へ抗う力と、とある固い決意をもたらす。
自らが信じる正義のため──魔族とともに、ロンドシウス王国を倒す。
辺境伯の領都・アーベルを制圧するための作戦をリーゼたち魔族とともに開始するロルフ。
だが、彼は知らなかった。
ロルフたちに差し向けられた領軍の中に、第五騎士団最強の魔導師にして彼の妹、フェリシア・バックマンがいることを──。
「……本気で、人間を裏切るんですか? 魔族に寝返るんですか?」
「人だからこうするんだ。信じるもののために立ち向かうのが、人だと思うから」
かつては自分を慕っていた妹──。避け得なかった悲しき戦いが、いま幕を開ける。
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