クリミア戦争 下 新装版

クリミア戦争

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出版社
白水社
著者名
オーランドー・ファイジズ , 染谷徹
価格
4,620円(本体4,200円+税)
発行年月
2023年2月
判型
四六判
ISBN
9784560094891

転換点としての再評価、現在にまで及ぶ影響

 19世紀の「世界大戦」の全貌を初めてまとめた戦史の決定版。
 トルストイの陣中日記やナイチンゲールの活躍は有名だが、実態はあまり知られていない。
 地政学的には、滅亡に瀕するオスマン帝国、南下政策を取るロシア帝国、ナポレオンの敗北から立ち直ろうとする第二帝政フランス、アジア市場を確保しようとするイギリス、オスマン帝国支配を脱しようとするバルカン半島のスラヴ諸民族、ロシア支配を脱しようとするカフカスのイスラム諸民族などが、複雑に絡み合う「帝国主義戦争」であった。また、各派に分裂して相互に抗争するキリスト教とイスラム教が連携し、対立する「宗教戦争」でもあった。
 新兵器のミニエ銃が導入され、兵站補給に蒸気船や鉄道が利用され、電報が活用され、新聞報道と世論が重要な役割を果たすという、まさに「近代戦」の始まりであった。
 また、一時休戦して死体の収容に当たるなど、最後の「騎士道」的戦争でもあった。
 現在、ロシアに編入されたクリミアとウクライナ問題をはじめ、21世紀の国際紛争を歴史的に理解するための「教科書」ともなる大作。解説=土屋好古

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