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〈秀吉の死から、関ヶ原合戦、大坂の陣へといたる「慶長」という時代の20年間を、京都の公家や僧侶の日記などの同時代史
料から再検討〉〈京都東山に造立された大仏(大仏殿と本尊)の変遷を追うことでうきぼりとなる、豊臣と徳川との関係〉
20年続いた慶長年間(1596~1615)は、豊臣政権から徳川政権へ移行した時期で、日本史上のターニングポイントといえる時代です。この時代は、関ヶ原合戦から大坂の陣へ至る「戦間期」ととらえられたり、自由であった民衆の世界が強化される封建制のなかに閉ざされていく時代ととらえられることがありました。しかし、同時代の史料(公家や僧侶の日記など)からはそうしたことは読み取れず、むしろ過ぎ去ろうとしない戦国の記憶、秀吉の治世のレガシーへの拒否感、その被害を最小限に抑えてくれるかもしれない徳川への期待などが垣間見えます。あえて武家側からの視点とは距離をおき、京都東山に造立された大仏(大仏殿と本尊)の変遷を座標に据えて、慶長時代を再検討します。
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